Ethereumを動かす ~Part 1~

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ブロックチェーン周りは最近良くも悪くも何かと話題になっていますが、技術として素晴らしい点がいくつもあります。ただどうしてもイメージしにくい点があるのも否定できません。
なので、実際に自分のPCにブロックチェーンの開発ができる環境を作ってしまうおうというのがこのシリーズのテーマです。
どこかで名前を聞いたことがある方も多いかもしれませんが、今回はEthereum(イーサリアム)を用いようと思います。
(この記事では2018年2月16日時点での技術を紹介しています。仮想通貨は現在進行形で発展している題材なだけあって、技術は目まぐるしく刷新されているということは留意しておいて下さい)
(また、このシリーズではmacOSによる実装を紹介していきたいと思います。その点もあらかじめご了承ください)

基本情報

意外に思われる方もいるかもしれませんが、”Ethereum”とは通貨の名前ではありません。ブロックチェーンの技術を用いて分散型アプリケーションやスマートコントラクトを実現させているプラットフォームの名前がEthereumで、Ethereumにおいて定められている内部通貨はEther(イーサ)と呼ばれています。

Ethereumの特徴として、コントラクトと呼ばれるコードをブロックチェーンに格納し実行することができる点が挙げられます。これにより、貨幣としてのやり取りだけでなく実に多様な用途が得られます。しかも、このコントラクトは個人が開発することも可能です。ではどうやって行うのでしょうか。

まず、Ethereumには大きく分けて“ライブネット”“テストネット”という二つのネットワークが存在しています。
ライブネットは実際に今も動いており世界中からアクセス可能ないわゆる本番環境のネットで、テストネットは自分のみか、限られた参加者しかアクセスできないテスト環境のネットです。
厳密に言うとこのテストネットにも二種類あるのですが、このテストネットを用いて開発したりテスト運用してみたりすることが可能になります。

開発の第一歩

Ethereumを実装するためのクライアントは色々あるのですが、今回は一番メジャーな”geth”というGo言語ベースのクライアントを用いたいと思います。試しに、

$ which geth

というコマンドをターミナル上で打ち込んでみてください。何も表示されないと思います。この状態ではgethを用いることはできません。ではどのようにgethを導入するのかと言うと、一番簡単な方法はHomebrewかなと思います。まだPCにHomebrewをインストールしていない方はこちらを参考にしてインストールしていただければと思います。

$ brew -v

とコマンドを打ち込むとHomebrewのバージョンが表示されるようになったら準備完了です。ここまできたら後は簡単で、

$ brew tap ethereum/ethereum
$ brew install ethereum

と二つコマンドを打ち込めば終わりです。確認のため、もう一度

$ which geth

というコマンドを打ち込んでみてください。先ほどは何も表示されなかったはずが、今回は何かしらのpathが表示されたかと思います。表示されたらgethの導入成功です!実に簡単でしたね。ちなみに

$ geth help

と入力するとgethコマンドの情報を見ることも出来ます。

今回はEthereumを操作するクライアントの一つであるgethを導入しました。次回は実際にこのgethを使って色々操作してみたいと思います。

技術書は勿論、本全般が好き。品揃えの良い本屋に行くとテンション上がりすぎて後で具合が悪くなる。

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