デザインするなら押さえるべきTEDトーク4選

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いきなりですが、皆さんはTEDトークをご存知でしょうか。

TED Talks

NHKでも放送されていたり、関連書籍が出たりと度々話題になることがあるのできっと多くの方がご存知かと思います。

私も移動時間などの時間で視聴することがあるのですが、自分とは立場も環境も全く異なる人々の考えを聞くことはとても刺激的ですし、新たな発見や学びがありますよね。

 

TEDには分野を限定しない様々なトークがあるので、オススメに挙げられているものや気になるタイトルの物を見ているだけでも様々な知識を得ることができます。

ですが、あるカテゴリに絞っていくつかのトークを視聴するというのも学習という面で効果的なのでは無いかと思っています。

 

今回はデザインに関わるトークをまとめ、さらにデザインをする上で見ておいた方が良いというトークについて、実際に視聴してその概要や得られたこと、感想をまとめてみました。

また、ここで紹介するトークは全て日本語訳があるものなので、皆さんもお時間があるときに見てみてはいかがでしょうか。

 

 

Airbnbの成功の裏にある信頼のためのデザイン

Joe Gebbia
デザイナー、起業家、Airbnbの共同設立者で最高財務責任者(CCO)

概要

Airbnbは世界192ヶ国で展開するホスティングサービスです。
宿泊施設を貸し出す人向けのサービスで、近年日本でも活発になってきている民泊もこのAirbnbの普及によるものといって差し支えないと思います。

現代人は「知らない人は危険」という偏見を小さい頃から植え付けられています。
知らない人に「自分のモノ」、まして「自宅や部屋」を貸し出すのは非常に抵抗のある事だと思いますが、それらは貸し出す人・借りる人の間に信頼関係が成り立てば乗り越えられる問題であるとしています。

Airbnbでは「知らない人は危険」という偏見を「信頼のためのデザイン」によって克服できたと言います。

 

得られること

このトークのひとつのテーマは「信頼を得る」であると思いますが、それをデザインによってどのように達成したのかについてAirbnbでの実例や観客を交えた実験、またその研究結果なども盛り込まれていて非常に興味深いトークです。

「デザインというのは 見た目だけのものではなく 全体的体験なのだ」
とこのスピーカーが言っているように、あるテーマを実現するために(Airbnbの場合はどのようにユーザー同士の信頼を得るか)どのようなデザインを行うかということについて、多面から理解することができるトークになっていると思います。

このようなプロダクトレベルのデザインを行う機会は少ないかもしれませんが、もっと小さなレベルのデザインを行う際にもきっと参考になるかと思います。

 

 

デザイン最大の秘密…気付く事

Tony Fadell
プロダクトデザイナー、iPodの発案者であり、同製品開発の中心人物の一人。

概要

我々人間は、日常で頻繁に行う動作や作業を習慣化して、新たに学習するための余白を確保していると言います。
ですが、習慣化によって周囲の問題に気付かなかったり、また気付かないが故に解決できない問題が出てきてしまいます。
その問題を解決するために、デザイナーは「気付き」を用いてアプローチすることができるといいます。

iPodの製品開発の中心にいたTony Fadellによる、デザインにおいて「気付き」がなぜ重要でどんなアプローチがあるという考えについてのトークです。

 

得られること

このトークは、自分が習慣化している行動に対して何か解決できる問題があるのでは無いかという視点を
タイトル通り気付かせてくれる内容になっています。
習慣化した行動を改めて見直すことが難しいことは身を以て感じますが、その中で見逃している問題があるかもしれない、またその問題は気付かないから解決できていないのかもしれない=では気付くためにはどうしたら良いかということを一連の流れで学ぶことができました。

トークの中で出てくる3つのコツは、日頃から意識しておくと何か新しい気付きがあるのでは無いでしょうか。

このトークで出てくる考え方や視点は「カイゼン」ともつながる部分があると思うので、デザインをする際だけでなく、プログラミングやその他様々な仕事をする上で参考になると思います。

 

あなたの(そして何十億人の)ための巨大なウェブデザインの方法

Margaret Gould Stewart
UXデザイナー、Facebookプロダクトデザイナー

概要

現代人がほぼ毎日触れるデザインの一つとしてWebシステムデザインがあります。
我々の日常に欠かせないGoogleやFacebook等のSNSのデザインについて、デザインという観点から日常的に考えたことがあるという人は少ないと言えるでしょう。
これらシステムデザインはとても規模が大きく全体像を把握することは容易ではありません。
そんな大規模なシステムデザインの本当に難しい点は何なのか。

UXデザイナーである、Margaret Gould Stewart氏がFacebookやYoutubeでUXデザイナーとして経験・実践した内容をこのTEDトークでは話しています。

 

得られること

このトークでは規模の大きなデザインこそ、細部のデザインが重要になってくるということを理解することができます。
例としてFacebookのLIKEボタンが取り上げられていますが、ボタンという些細な機能・デザインでもそのボタンが毎日世界中で何百億回と押されているという話は、考えてみれば当たり前ですがそのような観点で物事も見ることができている人は自分も含め中々いないのでは無いでしょうか。

また、もう一つの例として挙げられているFacebookにおける写真の掲載取り下げ機能についても、些細なアプローチでも結果として大きな違いになってくることが分かります。
目には見えないものをデータとして捉え、理解しそれをデザインとしてどのように表現するか、かなり大きな話に聞こえますがもっと小さなWebサイトやサービスにおいても基本の考え方は同じなのでは無いかと感じました。

コンテンツやデザインをより良くしたい、大規模なウェブサービスではどのような考え方でデザインをしているのかを知りたい方に参考になるトークです。

 

喜びはどこに隠れ、どう見付けるか

Ingrid Fetell Lee
デザイナー、ライター、「Joyful: The Surprising Power of Ordinary Things to Create Extraordinary Happiness」の著者。

概要

人間はモノを通じて「喜び」を感じることがあります。
桜や虹、カラフルなトッピングのアイスクリームなど人によってそのモノは様々ですが、このモノの世界と漠然とした感情である「喜び」との間にはどのような関係があるのか。
そんな疑問を10年かけて考え、研究したデザイナーのIngrid Fetell Lee氏によるトークです。

また、その際に気付いたデザインの世界の現状について、「喜び」のデザインがどのような場面で使用されているかについても言及・考察をしています。

 

得られること

このトークでは純粋にデザインをする上での技法などを得ることはできませんが、デザインが与え得る「喜び」をテーマに様々な考え方を得ることができるかと思います。

デザインがどのような感情を与え得るのか、またどのようなデザインをすればこの感情を与えることができるのか。
そのように考えてデザインを行えば、適切なデザインをできるだけでなく、より深いデザインを行えるのでは無いかと感じました。

デザインをする上で最初にテーマを決めることが重要というようなことがよく言われますが、そういった単なるルールとして理解しがちな部分がこのトークによって何となく理解できた気がします。

 

 

まとめ

今回はデザインに関するトークの一部を紹介させていただきました。

もちろんこれらのトークを視聴したからといって一気にデザインの全てが理解できるというものではありません。

ですが注意深く視聴してみると、どのトークにも関連するキーワードのようなものに気付くことがあるかと思います。今回の4つのトークの中でも共通したキーワードがあったなと私は感じています。

 

このほかにもTEDには様々なデザインに関わるトークがあるので、探して視聴してみてはいかがでしょうか。

また、オススメのTEDトークがあれば記事にしたいと思います。

 

Posted by FuruyaKensaku
映画を愛し、写真に焦がれるエンジニア。 唯一無二のアイデアマンになりたい。 よく言われることは、 「本当に日本人ですか?」と「もっと年齢いってると思っていました!」

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