考えるべきキャッシュレス化

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最近の寒さに一段と増した出不精を発揮しております、どうも酒井です。

この時期は何をするにも寒すぎて、指先使った行動のパフォーマンスがめっきり下がってしまうのですが、皆さんいかがでしょうか。自分なんかはデスクワークなど特に(略
お財布から小銭を漁る時なんかも感覚がなく、つい持ってる携帯の電子マネーを使って払ってしまいます。。

そんな寒さにヤラレ気味な買い物最中ふと、キャッシュレスのニュースを思い出しました。
2019年の10月に消費税の引き上げがアナウンスされており、その経済対策としてクレジットカードなどのキャッシュレス決済の際に5%のポイント還元を検討しているようです。皆さんの中でも既にキャッシュレスで生活されている方もいらっしゃるかと思いますが、今回はキャッシュレスの未来や効果を考察してみたいと思います。

What’s キャッシュレス?

最近ニュースでも目にする”キャッシュレス”という言葉ですが、以下のような意味があります。

現金ではなく、小切手・口座振替・クレジットカードなどを利用して支払いや受け取りを行うこと。
引用: コトバンク

現金ではなく別の方法で決済を行う事、という意味なのですが、クレジットはともかく、小切手・口座振替は状況による場合が多いかと思います。クレジットに関しても、2016年の日本のクレジットに関する調査によると、クレジットカード・ICカード含めた電子マネーの利用率は66%という結果が出ており、実は他国に比べて少ないのが現状です。

引用: クレジットカードに関する総合調査

キャッシュレスのメリット

世界的にみて現金での決済をなくしていく方向であることが分かりましたが、キャッシュレス化におけるメリットとは何でしょうか?

消費者のメリット

– 現金による管理の煩雑さの解消

現金を持ち歩く際のかさばりがなくなり、スリなどの犯罪が減少するなどの効果が得られる

– ポイント還元

クレジットカードの支払いで溜まるポイントの他に、冒頭で述べたようなポイント還元の施策を国が検討中である

– 社会的信用を示せる

クレジットカード発行時に審査があるため、社会的な信用を示すことができる

– 支払い時のコスト削減

会計時間や、会計ミスなどを減らすことができる

国のメリット

– 年間約1兆円を超えるコストの解消

現在、現金決済のインフラを維持するために、年間約1兆円を超えるコストが掛かっており、キャッシュレス化によりこれらが解消されると期待されております。

引用: キャッシュレス化推進に向けた国内外の現状認識

– 訪日者へのキャッシュレスサービスの提供

コスト面だけでなく、先進的に取り組んでいる国外からの旅行者にサービスを提供できるで、直接的な経済効果を期待できます。

日本の実情

ではなぜ未だ日本では現金での取引が主流となっているのでしょうか。
経済産業省の調査で、社会情勢におけるキャッシュレス化が普及しにくい背景として以下の4つが挙げられております。

  1. 窃盗の少なさや、現金を落としても返ってくると言われる「治安の良さ」
  2. きれいな紙幣と偽札の流通が少なく、「現金に対する高い信頼」
  3. 店舗等の「POS(レジ)の処理が高速かつ正確」であり、店舗での現金取扱いの煩雑さが少ない
  4. ATMの利便性が高く「現金の入手が容易」

引用: 経済産業省 キャッシュレス・ビジョン

窃盗の少なさや、現金を落としても返ってくると言われる「治安の良さ」

遺失物が戻ってくる確率から算出になりますが、日本で財布を落として戻ってくる確率は63%という調査もあり、これは世界的に比べて非常に高い数値のようです。また、紛失した財布の中身(現金)が戻ってくる確率は35.71%と、数字だけ見るとそれほど高くないのですが、やはり世界的に見ると比較的高い数字となっています。
上記の事から、日本では盗まれるという不安がなく、安全故にキャッシュレスである必要性を感じにくいと解釈できます。

きれいな紙幣と偽札の流通が少なく、「現金に対する高い信頼」

偽札の流通は持ち主の損益に直結し、現金に対する強い不信感を与える原因となります。こちらについても調査資料があり、ポンド券に比べ500分の1、ドル券に比べ275分の1、ユーロ券に比べ137分の1と、いかに日銀券の偽造通貨が少なく安全なのかが伺えます。普段の生活では目にすることもないですよね。

店舗等の「POS(レジ)の処理が高速かつ正確」であり、店舗での現金取扱いの煩雑さが少ない

普段の買い物時に感じますが、現金での決済のデメリットが少なく、寧ろキャッシュレスを導入する際のライバルなのではないかと感じます。

ATMの利便性が高く「現金の入手が容易」

銀行ATMの設置数は約11万台、コンビニATMの設置数は約6万台と、普段現金を下ろすことに困る事はありません。
参照: 全国銀行協会

上記に挙げた他にも諸説あるようですが、大なり小なりキャッシュレス化の敷居となっている事が見受けられます。
このような事情から、他国と比較してもキャッシュレス化への取り組みが後進的なのです。

イノベーション

ここまでキャッシュレス化の展望についての調査と見解をまとめてきましたが、実際にはどのようなサービスが考えられるでしょうか。

電子マネー


偏に電子マネーと言っても、現金での課金を行うタイプのものをキャッシュレスか判断するのは難しいのですが、クレジットから直接課金できる”おサイフケータイ”や”ApplePay”・”GooglePay”はキャッシュレスと言えるでしょう。
Suicaなどの公共交通機関の決済も、各種アプリを使う事で、スマートホンを電子カード同様に扱う事ができます。決済もクレジット情報からスマホアプリに課金するので、現金でのやりとりがありません。
クレジットを経由して現金を出さずに課金を行う仕組みは、普段からクレジットカード決済を利用している方には受け入れられやすいように感じます。

無人コンビニ [AmazonGO]


キャッシュレスとIoTの先進的な技術として話題となっているAmazonの無人コンビニ。
数百台のカメラとマイク、人工知能と他センサによる技術を連携させ、決済はキャッシュレスとレジレスを実現しているようです。現在までに、サンフランシスコ、シカゴ、シアトルなど米国内で複数店舗しており、2021年までに3,000店舗の展開を予定していると報じております。利用者からの評判も上々な様子ですが、果たしてデメリットはないのでしょうか。
消費者のストレスのない買い物が大きなメリットである反面、レジレスである事で、雇用の機会が減ってしまうという懸念があります。AmazonGOを含む無人店舗が今後増加した場合、米国の230万人のレジ係が職を失い、370億ドル(約4兆円)の収入が失われるとの試算まで出ています。
このような背景から否定的な意見も見られますが、無人店舗を展開するチャレンジャー企業・フォロワー企業は既に試験運用を行なっている段階で、賛否に関わらず急増していくと予想されています。
雇用問題は目を背くことの出来ない問題だと思う一方で、キャッシュレス化の時流に沿った成功事例な気がします。

まとめ

キャッシュレスという報道や言葉は便利で簡単なイメージを与えやすいですが、日本に焦点を当てると、旧態依然としている文化や、日本の堅苦しさを感じてしまいます。しかし、柔軟な対応をとる一部地域で危惧されている雇用問題や、治安の悪さというのも、逃れられない現実なのだと理解しました。
今後、日本では特に税金問題と同時に取り沙汰される話題になりそうなので、予備知識として理解を深め、生活に合わせて採択できたらと思います。

余談

キャッシュレス化の鍵と考えられている技術としてブロックチェーンがあります。
出入金管理など、整合性の取れた状態を担保しなければいけない状況において、ブロックチェーン技術は本領を発揮し、応用された技術として仮想通貨が知られています。参考に記事を載せさせていただきます。

参考

Posted by SakaiYasuhiro
PHP,NodeJS,Reactを主に使っているが、デザイン周りもこなす何でも屋。 自称: 可能性の獣

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